もう○○○オフで売るなんて、言わないよ絶対

 僕は本を読む為に、必ず本屋さんで新しい物を購入する。顔の分かる人の本ならかまわないのだが、図書館で借りる本や古本屋の本は個人的になんだか敬遠してしまうからだ。

 そこで僕は読み終わった本の中で、手元に置いておきたい物以外の本がまとまると、速やかに買い取ってもらう事にしている。もちろん買い取ってもらうのが前提なので、本は汚れないよう、慎重を期して読む。(僕はこの行為をする度に、幼少時代にドラえもん、コミックス内の「自動買い取り機」という道具を使ってのび太がマンガを買っては異常なまでに丁寧に読み、読了するとそれを買値で買い取ってもらって、新たなマンガを買うという無限ループを行っていた事を思い出し、一人でノスタルジーに浸っている)

 そこで先日、おそらく読み返さないであろう文庫本が溜まったので、いつも利用する近所の古本屋に向かったが、その日は店が閉まっていた。また本を持って出歩くのが億劫だったので、近くの○○○オフに買い取って貰うことにした。しかしそこで事件はおきた。なんと買ってまだ半月程度の、1度しか読んでいない文庫本5冊(しかも比較的メジャーな著者)が占めて170円だったのだ。買い取り担当レジのバイトの女の子はそれらをものの1分程度の光の速さで査定し、僕に買い取り同意書を提示してきた。一瞬その速さの眩い光に怯んでしまったが、すぐに正気を取り戻し「持って帰らせて下さい!!」と渾身の一言を捨て台詞に家に持ち帰り、後日普段買い取ってもらう店で再チャレンジすると570円だった。僕はマッキ―ばりにタイトルの替え歌を口ずさみながら、夕暮れの家路を急いだ。

 ちなみに、後者の店で丁寧に査定してくれた本が好きそうな店員さんと話をしたが、今は三浦しをんの本が高く買い取ってくれるそうです。